宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第八章 集団(全体・自己)と個人(部分・自我) [53]感性・知性は情報を時間・空間枠の鋳型にはめる無明・無知に陥る

[53]感性・知性は情報を時間・空間枠の鋳型にはめる無明・無知に陥る
[感性は、時間(左脳機能)と空間(右脳機能)という座標軸を使う感覚的知覚]
◎感性は、感覚(器官)から入って来た色彩・形・音・匂い・香り・手触り・味などについての情報の受動的収集機能を持ち、時間(左脳機能)と空間(右脳機能)という形式・座標軸を使って感覚的知覚を生ずる認識能力である。
[知性は、感性の知覚内容を理解し明らかにする]
◎知性は、感性が受信した知覚内容(素材)を理解し明らかにする精神の働きである。本来複雑(例えればゴミの山)であるものを、単純化する、全体を部分に分解する、物事を分析・整理・結合・抽象する、すなわち科学する。
[知性は現在に縛られた生活から解放する]
◎「知性=分別(分解力・切り取り・焦点づけ)=悟性=左脳的思考」は感性がするような物質(身体)への密着から離れて、今ここの(現在に縛られた)生活から解き放つ。感覚と感情は身体に属しているが、知性(理性)と直観は意識(精神)に属す。
[知性は、経験から積み上げた価値観・知識で外部情報を判断する]
◎知性(自我・左脳)は、自分が正しいと信じ(自分を判断基準とし)て、過去の経験から積み上げて培った価値観・(記憶)知識で外部情報を判断する。そのためにともすると、独善的になりやすい。各自の経験はみな異なるのだから。
[自我は、感性と知性をともに束ねて自己同一性を保持する]
◎自我は、感性と知性をともに束ねて意識の統一性(自己同一性)を保持する。しかしながら無意識をも束ねる能力までは持ち合わせてない。それらすべて(感性・知性・無意識)を束ねるのはさらに上位(階層)機能で、それを「自己」という。自我の上に自己がある。
[人は時間と空間の中にある]
◎人は時間(未来「イメージ」と過去「記憶」)と空間を持つ。時間を持つことによって、成功の期待と失敗の不安を持つ。期待は未来での成功の喜びであり、不安は未来での失敗の悲しみである。俗人は時間と空間の中にあるが、仏は最上階層にあって時間と空間を超え出でて自分の内部に(下部組織として)包み持つ(包越する)。服を脱いで自分のカバンの中に入れるように。
[内省によって内省する主体(主語)は把握できない]
◎内省によって内省する内容(目的語・自我)は把握できるが、内省する主体(主語・自己)はどうあがいても把握できない。内省によっては(自我ではない)自分自身を把握できない、目は対象を見ることはできても、自分の目自体を見ることができない。内省する主体は、内省される内容よりも常に上位の階層に位置する。一段昇ってもさらに一段上があるいたちごっこである。
[無明は自我を主体とする]
◎無明は、自分の本源(本来の面目・内省主体・自己・主語)を忘れ、自我(目などの感覚機能によってとらえた対象から作り上げた知識体系・目的語)を主体(自分)だと思い込む。流動する世界を感性と知性(悟性)とによって作り上げた鋳型(固定的分類基準)に流し込み、常に変化する無常(無)を永遠不変(有)だと思い込んでそれにしがみつく。
[無明を滅ぼすことによって生死から解脱する]
◎無明は十二因縁(輪廻・循環)においてその最初(初期原因・根本原因)に位置する。星の誕生には核が必要であるように、無明(自我・核)がある故に、われわれは生死輪廻する。最初に置かれたドミノが無明である。
◎したがってこの無明を滅する(取り外す)ことによって生死の苦から解脱する。実際には滅する必要はなく、ただそれを超越するだけでよいのだが。