宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第八章 集団(全体・自己)と個人(部分・自我) [59]最高階層(全体主義)優先か最低階層(個人主義)優先か

[59]最高階層(全体主義)優先か最低階層(個人主義)優先か
[最下階層から上昇するか、最上階層から下降するか]
◎多即一・色即是空・身心脱落・往相・小乗仏教ボトムアップ・民主主義・個人主義・帰還・求心型・収束は、トーナメント形式を最下階層から上昇する。一即多・空即是色・脱落身心・還相・大乗仏教トップダウン全体主義・流出・遠心型・発散は、逆に最上階層から下降する。
[全体主義は最高階層優先]
全体主義は、個人を全体を構成する部分と見なし、個人の活動を、全体の成長・発展に制限する。国家・民族を優先し、時に個人の自由・権利が無視される、個人の生活や意見は国家全体の利害に従う。
[個人主義・民主主義は最低階層優先]
個人主義は、個人を社会・国家・集団と対立するものと見なし、個人の意義・価値の方を強調(上位に置き)して、集団を個人の目的達成の手段とみなす。民主主義は、権力を社会全体の個々の構成員に合法的に分配する。
[個人の人格が偉大になるほどにその欲求は社会的になる]
西田幾多郎は、個人の人格が偉大になるほどにその欲求は社会的になる、という。「個人的」に対して「社会的」といったのだろうが、「社会的」をも超えた階層もあるので、「普遍的」という方がより適切だろう。それはともかくとして、真理(普遍・全体)よりも個人(特殊・部分)を優先させる(上位に置く)のは、論理的ではない。
[個人主義全体主義もの矛盾的自己同一]
◎しかし強調しておきたいのは、というのは西田はこのためにとてつもなく批判されたのだから、個人主義全体主義か(二者択一)なのではなく、個人主義全体主義も(矛盾的自己同一)である。
[社会・集団の大切さが再評価され始めている]
◎戦後は戦前への反省から個人主義の方が過度に強調され過ぎた感がある。その結果、社会・集団の解体が進行し、現在ではそのマイナス面が表面化して、社会・集団の大切さが再評価され始めている。
[天網恢恢疎にして漏らさず]
◎「老子」に「天網恢恢(カイカイ)疎(ソ)にして漏(モ)らさず」とある。
◎天が張り巡らす網は目が粗いけれども、悪人を決して漏らすことなく捕まえる。天道は厳正公平であり悪事を働く者には必ずその報いを受けさせる、山に向かって叫ぶとこだまが返って来るように。作用反作用の法則である。
[天網(自然法則)から外れることはできない]
◎宇宙は天網(自然法則)が張り巡らされ、どんなささいなもの・事柄でもそこから外れない。孫悟空がきんと雲に乗ってどんなに遠くに飛んで行ったとて、所詮そこはお釈迦さんの手の内だった。
[自我は自分専用の網を造り出す]
◎所が、人間だけはその天網をかいくぐる方法を見つけだした。サルよりも悪知恵が働く。自我は自分専用の網(マイ網)を造り出す。人間が作った法の網のすき間をくぐり抜けるすり抜ける間抜けの悪徳業者や個人は後を絶たない。
[マイ網で取れるのは小魚ばかり]
◎マイアミ(アメリカ合衆国フロリダ州)は世界的な観光地で外国人から海水の如くお金が落とされるけれども、マイ網は小さくて少ししかとれない。だのに、そのことに気がつかない。さらに他のマイ網と絡まってけんかばかりする。絡んだあげく、「俺の勝手やないか」「私の自由でしょ」と強引に網を引く、我田引水する。
[マイ網を捨てれば、たちまち天網が使える]
◎小さいマイ網を捨てれば、たちまち宇宙大の天網が使えるのに、井の中の蛙大海を知らず。針の穴から天をのぞく。自我を捨てればそこは自己ばかり、悪を捨てればそこは善ばかりなり。

個人主義

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