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第九章 能動・意志の意識と受動・本能・自動の無意識 [62]発信型(前頭葉)と受信型(後頭野・側頭葉・頭頂葉)

[62]発信型(前頭葉)と受信型(後頭野・側頭葉・頭頂葉)
[発信型前頭葉が意志(志向性・自我)を持つ]
◎発信型・受信型言語野はともに左脳にある。(発信型)前頭葉が意志(志向性・自我)を持つ。無心・無我は、発信型(意志)領域を"Off"にすることで得られる。発信型=自立(自律)型=能動型=随意型=知性型で、受信型=依存型=受動型=不随意型=感覚型である。
[覚醒は外界を認識する受信専用モード]
◎何も考えないでただ起きている覚醒は、脳幹網様体の働きで脳が睡眠から覚醒に切り替えられ、外界・環境から情報が頭頂・側頭葉に流れ込んで、外界を認識する受信専用モードであり、反応できる態勢である。それより下がると、寝ぼけ眼でもうろうとしている。
[自意識は前頭葉が主導権を取る]
◎自意識は、脳全体の動きを監視して、自分が何をしているかを知っている意識で、積極的に外界に働きかけ、思考し、行動を起こす意志・意図を含む意識で、中央監視・管理センターである前頭葉(発信モード)が主導権を取る。
[随意筋と不随意筋は自我側からの命名]
◎「随意筋」と「不随意筋」の「随意」は自我側からの命名である。筋肉自身の側から見れば、自我にとっての不随意筋は筋肉自身による自己統制(随意)筋であり、自我の随意筋は意志による、筋肉にとっての他者統制(不随意)筋である。
[前頭連合野は計器・受信装置に表示される情報を見ながら発信・操縦する機長]
◎思考活動では前頭葉が必要な感覚情報を操作する。道順に沿った風景を思い浮かべるときには前頭葉と視覚野が活性化する。脳は航空機の操縦室で、前頭連合野は機長である。後頭野・側頭葉・頭頂葉という計器・受信装置に表示される情報を機長が見ながら発信し操縦する。実際にはほとんどの行程は自動操縦装置(小脳)が制御する。
[認識を実践よりも優先重視すると、知識と行為の分裂が生じる]
◎中国南宋朱熹(1130-1200)によって大成された思想、朱子学は先知後行、認識(受信)を実践(発信)よりも優先重視する(朱熹自身は実践を大変重視したが)ので、知識の拡大が必ずしも行為の拡大につながらない。知識と行為の分裂が生じる。多くの人々がそれに悩む。分かっちゃいるけど、やめられないと。
[真の認識は実践を通じて獲得される知行合一]
◎中国明代の王守仁(1472-1528)の思想、陽明学は真の認識は実践を通じて獲得される、認識と実践の一致(知行一致・知行合一)をいう。西田幾多郎はそれを、知性を意志化し意志を知性化する、行為的直観(知と行の循環)と呼ぶ。
[知行一致は全脳一致]
◎知識・認識は受信(感覚)型で脳の後半部、後頭連合野(側頭葉・頭頂葉後頭葉)が行い、実践は発信(運動)型で前半部、前頭葉が行う。認識と実践の合一、知行一致はそれ故全脳一致、全脳合一、全脳統合なり。
[受信型授業では発信機能・能力が鍛えられず、行動力にも欠ける]
◎授業は発信型と受信型とがあり、日本の小・中・高(大部分の大学も)では受信型授業(教師・教授の独演会)が主流である。これでは他人(指導者)の意見を拝聴するだけで自己主張(独自意見)が育たない。知識の受け売り、切り売りしかできない。学校は単に教師・教授の能力を伸ばす訓練の場にすぎない。学生側の発信機能・能力が鍛えられないので、行動力、積極性(自主性・自律性)も伸びない。