宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十章 下降で増しゆく分解力と上昇で加速する統一力 [69]一極集中度と多極分散度

[69]一極集中度と多極分散度
[インターネットは集中度がたいへん低く分散度が極めて高い]
◎インターネット(世界中に張り巡らされた通信ネットワーク)は一極への集中度がたいへん低く、多極的分散度が極めて高い、一人一人がバラバラで、リーダーが不在のまとまりのない群衆のように。ネットワーク型分散処理(リーグ・網状・クモの巣状)方式は、複数のコンピューター-ネットワークを接続し、最適な経路を選択して情報を伝送する装置で結ばれる。
[一極集中度が低いインターネットはきわめて強い耐久力を持つ]
◎インターネットでは、装置や機種の違いはすべて飲み込む包容性の高いものである。またまとまりのなさがこの方式に故障(機能不全)にきわめて強い耐久力を与える。逆に集中度が高ければ高いほど、最上階(統合拠点)をたたき壊せばなだれを打ったように崩壊する。
[集中度が高ければ最高位を叩けば組織崩壊しやすい]
◎フランスのナポレオンやナチス・ドイツのヒトラーのように専制(独裁)政治家とその体制の末路がそれをはっきりと示す。それほど大物でなくても、現代の経済界・政界でドンの死去・引退・退場によって求心力を失った組織が崩壊するのをたくさん見てきた。人間の脳も同様にかなり独裁的に成り得る。
[内部に矛盾・対立をはらまない完全統一はよくない]
◎統一と統合について違いを強調すれば、一つに統合しても、完全統一してはならない。一つにまとまっても、内部に矛盾・対立をはらまなければならない。世界の歴史は一党独裁の悲劇、専制政治の悲惨、粛清(反対派の追放・抹殺)の惨劇を数多く見てきた。専制政治全体主義共産主義が倒れる原因は内部矛盾・異質共存を持たない。
[独裁は閉鎖主義・孤立主義になり、停滞を生む]
◎今までに存在した共産主義国家では交代のない一党独裁になり、停滞を生む。閉鎖主義・孤立主義は「システムは部分的に開放する閉鎖系でなければならない」との自然原理に合致しない。閉鎖系はエントロピー増大原理から無秩序化する。
[階層間には相互作用が必要である]
◎階級のない共同社会というが、現実の共産主義国家では一握りの権力階級と大多数の労働者階級とにはっきり分断される。それでも階級間で情報・エネルギー・物質の相互的やり取りがあればまだしも構造として機能し持続する。
[矛盾は拮抗的に働くので、一方向に傾くと、復元的反作用が表面化する]
◎矛盾は拮抗的に働くので、ある程度一つの方向に傾くと、復元的反作用が表面化する。一党独裁にはそのような維持機能を持たない。日本は二大政党の競争原理による議会運営を目指すようだが、新生民主党の誕生と躍進で二大政党時代が現実味を増してきた。
[インターネットの連結は、階層関係がはっきりしない]
◎インターネットの話に戻す。その連結は、部分(下位)と全体(上位)との階層関係がはっきりしないから、システムを壊滅させるには切って切って切りまくらなければならない。植物はこのインターネット的リーグ形式(網目状連結方式)を採用している。特に進化初期の植物ほどその傾向が強い。それに対して、動物はトーナメント形式(タワー型階層方式)を選んだ。
[通信と放送の融合・統合]
◎日本では通信と放送の融合・統合の問題が世間をにぎわせている。通信(インターネット)と放送の融合・統合は時代の流れであり、当然進められていくべきものである。電波の届く範囲は限られるが、それをインターネットに放り込めば瞬く間に世界中を駆けめぐる。
[制作者側の利益確保か、利用者側の利便性か]
◎問題は制作者側の利益確保か、利用者側の利便性かであろう。日本では制作者の方が現状維持で前へは旧社会党が好きだった牛の歩み(後ろ向きでないのはまだしも幸いか)である。インターネット世界でもアメリカの圧倒的優位(グーグル・マイクロソフトなど)が目につく。日本は技術面ではすごいがそれを生かす創意工夫・創造(特にソフト面で)が貧弱である。