宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十章 下降で増しゆく分解力と上昇で加速する統一力 [70]核(結晶化の拠点)に吸い寄せられる知識体系

[70]核(結晶化の拠点)に吸い寄せられる知識体系
[核は結晶化の拠点である]
原子核、地球の核、細胞の核などなど、核は結晶化の拠点である。雲の生成は、氷晶核→水蒸気が凝縮→水滴・氷晶→群れ集まって空中浮遊する雲へと、核を中心として凝縮する、核(ゆらぎ)を中心に星が生成されるように、原子核に電子が取り込まれるように。
[コンプレックスは無意識的な行動・習慣基盤]
◎母親との経験が子どもの中に母親コンプレックス(体験知識体系)を形成し、無意識的な行動・習慣基盤となり、自らが親となったときぜひとも必要な下位機能となる。そのようなコンプレックスも核となる事柄(原体験)に以降の出来事が雲の生成と同じように結晶化して成長する。これは新しい苗木を植えるようなものであろう。栄養を与えればどんどん成長続ける。
[自我は下位に階層構造的に体験知識体系を持つ]
◎自我自身も個人内にある最大級の体験知識体系である、太陽系内の太陽のように。自我は個人内の最上階層で、下位に階層構造的に体験知識体系を持ち、それらは意識(自我)からある程度自律性を持ち、互いに独立(自律)し、自我によって完全制圧されえない。これ(依存し合いながらも互いに自律する)は宇宙原理である。
[体験知識体系の自律性と能力が高まると自我と張り合う]
◎所が、体験知識体系はその自律性と能力が余りにも高くなりすぎると、自我と張り合うほどに発達し時として多重人格となる、ジキル博士とハイド氏のように。これは表人格の転ぷくによる裏人格の露出といえる。
[核の周りに類似の感情的色彩を持つ体験が組織化され結合吸収されて膨らむ]
◎グロフは、コンプレックスを「凝縮体験系」という。それは核(原体験)として生き生きと色彩豊かな幼児期・児童期の忘れられ抑圧された強い感情的エネルギーを伴う記憶を持つ。その核の周りに類似した諸々の感情的色彩を持つ体験が組織化され結合吸収されて膨らむ。
[体験記憶を再体験することで意識に統合される]
◎その記憶内容をすべて再体験・追体験することによって、その核となる記憶が解除(エネルギー発散)されて、意識に統合される。自我(意識)と体験知識体系とが配線接続される、ホストコンピュータ(オンラインで接続されているすべてのコンピューターのうちで、大容量をもち主演算・制御を受け持つ上位コンピュータ)と端末装置が接続されるように。
[言葉も類似性・相反性・相補性を持つ語と語が一つの体系にまとめ上げられる]
◎言葉体系も類似性・相反性・相補性を持つ語が互いに直接間接に結びつき記憶倉庫(大脳新皮質)の中でトーナメント形式で一つの大きな体系にまとめ上げられる。とはいえ、それは固定したものではなく、時と共に(時系列に従って)どんどん変化する大きな柔軟性を持つ。
[ソシオグラム(社会組織図)は人間のつながりを図式化する]
◎担任教師は新学期からしばらくした頃に、クラスの生徒にソシオメトリー(学級内の人間関係を把握するためにクラス内で好きな子と嫌いな子の名前をあげさせる調査)を実施して、ソシオグラム(社会組織図)を作成することがある。それによってクラス内にいるリーダー(ハブ・核)を探し出したり、孤立する子どもを見つけたりする。
[誕生後すぐでは身体への支配が不完全で単なる寄せ集めとして感じる]
◎フランスの精神分析学者ラカン(1901-1981)はいう。草食動物は誕生後数時間内に立ち上がり歩き始め、自力で母乳を飲む。人間はそのような動物と違ってずっとずっと未熟なままで誕生するから、自分の身体に対する支配は不完全で、バラバラな部分の寄せ集めとして体験する。
[鏡に映った自分の全身像を見ることで身体像を手に入れる]
ラカンはこれに対する解決方法を提示する。人間は鏡に映った自分の全身の姿を見ることによって、まとまった身体像(全体像)、身体的統一感を手に入れる。組立設計図の入手によって、細切れの身体体験を一つの絵柄に完成させる、ジグソーパズルのように。