宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十章 下降で増しゆく分解力と上昇で加速する統一力 [71]差異から根源的不安が生まれ、拡大欲・上昇欲を作り出す

[71]差異から根源的不安が生まれ、拡大欲・上昇欲を作り出す
[特殊→一般、狭(縮小)→広(拡大)、低→高、少→多、浅→深へと意識は進む]
◎意識はトーナメント形式を下から上に昇ってゆくことによって、特殊から一般(普遍)へ、狭い(縮小)から広い(拡大)へ、低いから高いへ、少ないから多いへ、小さいから大きいへ、浅いから深いへと進む。
[生命は、不毛の地を開拓しながら棲息範囲を広げた]
◎生命は、海だけに生息する段階から陸地に、さらに空へと不毛の地を開拓しながら棲息範囲を広げた。動物や植物はあらゆる技術を発明し駆使して生存し続けるたくましさを持つ。
[人間の手本は自然界にある]
◎私たち人間は生物が進化の過程で発明した技術を真似て機械を作り出していることが多い。発明家(生物)には特許料を踏み倒しっぱなしである。その厚かましさに黒クマが一瞬にして白クマに変化したそうなと、民話がいったかな。
[馬鹿とは小細工をしないで内部にある自然(的欲求)に対して素直、従順な人]
◎バカと煙は高い所へ登る。バカは褒め言葉で、自我による小細工をしないで内部にある自然(的欲求)に対して素直、従順な人である、煙と同じように。上昇は、精神分析の昇華であり、イド→自我→超自我、下・地下・肉から上・天上・霊へと昇る。上昇=(束縛→)脱皮=(疑問→)自己否定=超越=現状打破=成長=向上=進化=発達である。
[意識は階層構造を一段ずつ昇ってゆく拡大を求める]
◎自我は種子から芽を出して成長する樹木である。自我(種子)は成長して成熟した後では、実(意識)として樹木(身体)から落ちなければならない、滝を上ったコイが水を切り取って竜になるように。これと同じように意識は階層構造を一段ずつ昇ってゆく拡大を求める。
[意識の拡大・上昇欲求を物質世界・外的世界でかなえると欲望と呼ばれる]
◎ほとんどの人々は意識の拡大・上昇欲求を物質世界・外的世界・俗世間でかなえようとする。その欲求を個人内の(物質的肉体的)自我に限定停滞すれば、絶対無(最終地点)に近づかないことから、人間はいずれ絶望・虚しさの淵に陥る。それを避けようと、さらに死に物狂いで物質に名誉にしがみつく。
[欲望は精神的絶望の別名であり、物質所有は残念賞である]
◎そうなればそれは欲望と名前が変わる。欲望は精神的絶望のあだ名である。物質的所有は精神に対する残念賞である。拡大・上昇欲求をかなえるべき場所は精神世界・内的世界である。
[心は神仏の内に休らうまでは不安が解消されない]
キリスト教の教父アウグスティヌス(354-430)は「告白」の第1巻冒頭で、「あなたは私たちをあなたに向けてお造りになり、私たちの心は、あなたの内に休らうまでは不安なのです」という。
◎あなた(=神)に向けて造るとは、神に向けて上昇し帰り着く拡大欲・上昇欲求が意識(魂)に埋め込まれていることをいう。
[心は大きな存在の内で安らぎたいとの根本的願望を持つ]
◎私たちの心は、「寄らば大樹の陰」のように、アウグスティヌスがいうように、大きな存在の内で安らぎたいとの消えることのない根本的願望を持つ。絶対無(神)に至り着くまで本物の最終的安らぎは手に入らない。
[安らぎたいのに安らげないという根源的不安を生み出す]
◎そのことが逆にそこへたどり着かない、肉体は本当の家(故郷・古里・ルーツ)ではないという根源的不安を生み出す。欲求と不安は同じ源泉(根源的不安=上昇志向)からわき出す。その源泉から引いた温泉は万病に効く。みんなで一緒に入りに行こう。
[拡大・上昇欲求は欠如(不完全)から生まれる]
ラカンはそれを「欠如」(不完全)という。これは完全(本来的)状態をすでに知っていることを意味する。知らぬが仏である。知っているからこそ欠如しているとわかるのだから。そこから喪失感が生まれ、欠如を埋めたいとの欲求が育つ。
[完全性の生得的概念は神から与えられたもの]
デカルトも同じことをいう。不完全な私が自分の不完全さを自覚できるのは私の中にすでに「完全性」の観念(生得的観念)があるからだと。そしてその観念を与える主は自分よりも上位に位置する神だと考えた。
[エロスは自分に欠けたものを得たいとの衝動]
プラトンはいう、エロスは自分に欠けたものを得たいと求める衝動であると。つまり、ゴールを知っているからゴールへ向けて進める、目的地があるからこそ迷いがある。足の向くまま気の向くままに歩く散歩と違って。
[社会規範に背くと不安・罪悪感(不全感)が生じる]
超自我・上位自我・良心(上位階層)が要求する社会規範に背く(分離する・欠如する)と不安・罪悪感・不全感が生じる。大きな存在から分離されると、自分の存在が相対的に極小化し、ついには消滅するという不安、安定感喪失に対する危機感が生まれる。ユングフロイトと決別したときには、完全な喪失感、方向喪失感に襲われた、広い荒野に置き去りにされた子どものように。
[不安感・分離不安・孤独感はつながりが切れた悲しみ・寂しさ]
◎孤独、周りから切り離される不安感・分離不安、つながりが切れた悲しみ・寂しさ(分離感情)。子供の手からすり抜けた風船のような、親からはぐれた迷い子のような、迷える子羊のような、群から離れたヒツジのような。
[分離不安を解消するインターネットとケータイ]
◎その分離不安を解消するのがつながる安心感。離れた相手とつなぐ郵便、電話・携帯電話、自動車・飛行機、インターネット。今の時代つながりを作る重要な手段は、インターネットとケータイである。諸々の依存症は分離不安から来る。
[切り離される不安とつながる喜び]
◎さまざまな感情の根っ子にあるものは、「切り離される」「縮小する」不安や怒り、「つながる」「拡大する」喜び(結合感情)である。それらを端的に表すのが不安や怒りの根源=悪と、喜びの源=善である。

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