宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十二章 階層構造を成す脳 [91]小脳は成功事例の蓄積庫(図書館)

[91]小脳は成功事例の蓄積庫(図書館)
[随意運動は感覚フィードバック情報に導かれながら意識的試行錯誤を繰り返す]
◎動きがぎこちない随意運動は、最初のうち大脳新皮質の感覚野を通した感覚フィードバック情報に導かれながら意識的試行錯誤を繰り返しつつ制御される。なお感覚フィードバック情報は、車を誘導する笛・手招き・かけ声、「もう少し左にハンドルを切って」とか、「そのまま真っ直ぐにバックして」とかのガイド役を勤める。
[熟練作業は成功事例に導かれる無意識的なフィードフォワード制御]
◎練習を繰り返すうちに、成功した事例をモデル化したプログラムが小脳内に書き込まれ、それ以降はその成功事例に一致させる方向への無意識的なフィードフォワード制御に切り換えられる。これが自転車にうまく乗れた瞬間である。
[小脳は、師匠の模範演技を弟子が見習う前向き(勘だのみ)制御]
◎意識的フィードバック(解答模索・試行錯誤)型から無意識的フィードフォワード(解答提示・模範解答)型へと移行される。意識主導型から小脳(無意識)主導型への切り替えである。小脳は、師匠の模範演技を弟子が見習う前向き(勘だのみ)制御である。
[宇宙は自然選択によって成功のみが生き残り、知識として積み上げられる]
◎宇宙は、自然選択によって失敗(不適応)は捨てられ、成功(適応)のみが生き残り、それが知識として積み上げられてゆく。刺激と反応の結合は満足をもたらす(成功)時には強められ、不満足をもたらす(失敗の)ときには弱められる。結合=成功=満足→繰り返し、分離=失敗=不満足→行動停止。
[小脳は、失敗を消し去るので、誤動作が減少しうまくなる]
◎小脳は、失敗を消去するので、間違った動作が減少し上手になる。そういう点では、失敗には素直になるべきである。その時に言い訳をする、ごまかす、訂正しない、と間違いが記憶されるかも。素直が一番。所が、人間社会では間違い・失敗・悪がたびたび満足をもたらすので、とてもゆがんだ社会になる。
[小脳は無意識的運動プログラムの貯蔵庫・図書館]
◎小脳は運動学習・イメージ運動学習など、無意識的運動プログラムの貯蔵庫・図書館(プログラム図書館、人間社会にもいずれできる)である。すでに成功した事柄であれば、無意識を信頼して無心・無我で振る舞えば、フィードフォワード制御によって自ずと成功へと至る。
[スポーツ・芸事は小脳が主導権を保つべき]
◎その時、如何に冷静で上がらずに不動心を保てるかが勝負所である。スポーツ・芸事は小脳(無意識)に主導権を取らせることが勝敗の分かれ目だろう。もちろんどんなプログラムを小脳に放り込んだかによるが。