宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十七章 自然原理を反映する歴史 [130]外国に対する日本の過去・現在・未来

[130]外国に対する日本の過去・現在・未来
[現代日本は情報作り優位の時代に突入]
◎日本は今大きな変革の時期を迎えている。経済・文化面では、もの作り主体から情報作り優位の時代に入っている。これが成功するか否かに日本の将来がかかっている。これは物そのものを売るのではなく、もの作りの知識や技術を売る、あるいは情報自体を売る時期に突入したことを意味する。
[もの作りの上に情報作りが重層する]
◎といっても、もの作りがなくなったというのではなく、もの作りの上に情報作りが重層し、重点がそちらの方に移った、階層が一段階高く(深く)なった。脳幹の上に大脳皮質が乗っかり、それが主体となって人間が出来上がったように。
◎では日本と世界の関係を少しのぞいてみよう。
[軍事面での海外進出→経済面での海外進出→文化面での海外進出]
明治維新によって日本を文字通り統一した明治以降の日本は、1)軍事面での海外進出→戦争(1945年)で挫折→2)経済面での海外進出→バブル崩壊(1990年)で挫折→3)文化面(特に漫画娯楽文化)での海外進出が行われ、現在第三次海外進出が大きく、大規模に進行中である。
[余剰エネルギーは出口を求める]
◎海外への進出はそれ自体が目的ではなく、コップに水が注がれ、そのコップが一杯になっても水が注がれ続ければ、その水はコップからあふれ、周辺に流れ出していくのは自然であろう。余剰エネルギーははけ口を求める。以前のヨーロッパがそうであったように。
◎過去のヨーロッパではそれが植民地主義帝国主義という形を取った。受け皿の事情をどれだけ考慮するかが受け入れられるか排斥(反作用)を受けるかの違いを生む。競争か協同か、一方の勝ちか共存共栄か。
[知識・情報・技術の保護と育成を最重要国策としての外交努力を期待する]
◎技術情報立国日本として技術知識を携えての海外進出を保護・育成・奨励することにおいて大きく立ち後れる。知識・情報・技術の保護と育成を最重要国策として一刻も早く国内外に向けて掲げるべきである。
ワープロソフト「一太郎」(国民的ソフトとして復活を願う)が天下の「松下」に知的特許の侵犯で訴えられ敗訴(高裁で逆転勝利を奪還)したが、これは新しい幕開け(物自体よりも知識・情報優先)を感じさせる出来事であった。
[自分の意見の言える外交能力を高めて欲しい]
◎海外進出には国際外交(交渉能力)が大きくものをいうが、日本の外交は余りにも貧弱である。これは日本が過度にアメリカに寄りかかっているため(依存過多症・アメリカの陰に完全にかき消されている)だろう。「一太郎」と「ワード」の関係がそれを象徴している。
アメリカの「力(競争原理)の外交」に対して、アジア(東洋)の(経済協力と技術・情報協力を中心とした)「和(協同原理)の外交」を前面に押し出す自律外交が望まれる。
[日本はアジアにとって黒船の役割を果たす]
◎かつての日本は、ヨーロッパによる植民地支配に甘んじるアジアの国々に対して、欧米と同じ軍足でづかづかと入り込んで、眠っていた民族意識(感情)を呼び覚ました。アジア統一に挫折した日本はアジアに向けて、経済面でまたもや無遠慮に入り込んだ。
◎それがアジア諸国に経済的成長・発展という火付け役を演じた。「日本はアジアにとって黒船」の役割を担っていたのかも知れない。
[黒船は当時の日本人に強烈な恐怖感を植えつけた]
◎黒船としてアジア諸国を覚醒させ揺り動かした日本自身は欧米の黒船によって三百年の眠り(内面専念)から叩き起こされる。幕末に来航した欧米列強の軍艦、特にアメリカの東インド隊司令官ペリーの来航(1853年浦賀に入港して開国を迫る)後、それは列強の日本への領土的野心の象徴と映り、当時の日本人に強烈な恐怖感(トラウマ化した)を植えつけた、いまだにそれが完全に癒えたとは言い難い。
[外交はその国の顔である]
◎経済面で欧米と対等になったとは丸で実感がない、特に日本の外交姿勢を見ていると。外交はその国の顔(外的人格)であり、外交姿勢を見ればその国が分かる。日本の政治家にはその認識(世界を視野に入れた政策作り)が弱いように見受けられる。まだそういう面では若いということか。
[苦難との格闘が人を偉大にする]
◎黒船来航は、日本丸にとって巨大氷山との遭遇である。寒流と暖流の出合う潮目はプランクトンが大量に繁殖するためにさまざまな魚が集まり一大漁場となるが、黒船来航(西洋文化との遭遇)によって、日本には次々と時代精神を生きた偉人が誕生していった。苦難との格闘が人を偉大にする。格闘が相手の能力を吸収する最高の道である。敵を知り己を知らば百戦危うしからず。

明治維新という名の洗脳

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