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第十七章 自然原理を反映する歴史 [132]自我より大きな存在、時代精神・社会精神・集団精神・集合無意識・霊性

[132]自我より大きな存在、時代精神・社会精神・集団精神・集合無意識・霊性
[武士は各地武士団を形成して政治的勢力を増大させた]
◎武士は平安中期、地方豪族や国司武装化によって誕生し、その集団が全国各地に芽を吹き、12世紀半ば以後、豪族的武士層が中小の在地武士層(地方名主層)との間に、次々と階層的主従関係を結び組織化して各地に武士団を形成しながら武士の政治的勢力を増大させた。
[670余年間武士による武家政治が行われた]
◎保元・平治の乱(平安末期の内乱)で中央政界に進出し、武士団を一大統合した鎌倉幕府の開設から江戸幕府の終焉(明治維新)まで670余年の間政権を掌握した武士階層が武家政治を行った。
[霊性は、個人の内に働く神のいのち・宗教性・仏性・宗教意識・無分別智]
鈴木大拙は「日本的霊性」を使う。霊性は、人間の内に働く神のいのち・宗教性・仏性・宗教意識・宗教心・無分別智である。彼は鎌倉時代に日本的霊性が覚醒したという。その理由として、平安末期の政治的崩壊・文化的頽廃・蒙古来襲をあげる。特に蒙古来襲による国家防衛のための挙国一致が霊性(普遍化・普遍意識)に向かわせたと。
[個人ではなく普遍意識を生きる時代精神]
◎時代(社会・集団)精神・集合無意識・霊性は、自我(個人)を生きるのではなく、自己(普遍)を生きる。大きな存在のために生きる精神が霊性である。その霊性は拡大・統合を求める、より大きな和を要求する。志を高く掲げ続けよう。
[禅は中国より伝来し日本的に開花する]
◎禅は鎌倉時代から江戸時代の鎖国に至るまでの約300年(武士階層の時代)の長期に渡って持続・断続的に中国から渡来して日本的に開花する。殊に臨済禅は学問・文学・工芸(水墨画・庭園・建築物・茶道)など数多くの文化を生み出している。
[武士は禅を尊び、禅は霊性の開発を目指す]
◎禅は霊性の開発を目指し、武士はそのような禅を尊んだ。とはいえ、思想的には儒教の力も大きかったが。武士が長続きしたのは禅による霊性の開発にあるだろう。葉隠がいう「武士道と云は死ぬ事と見付たり」で代表される死の覚悟に徹するとき、自ずから他者を圧倒する精神的強みを生み出すという。死ぬ(もちろん自我的に)、肉体を捨てる(死を覚悟する)ことによって精神が輝き出る。
[外国(欧米)という存在に目を見張った日本は国として完全統一を果たした]
霊性は、私たちの内にある統一力である。大きな脅威を与える存在が目前に現れると、アメーバがするように統一力(霊性)が大きく強く働く。日本が国として心理面でも完全統一を果たしたのは明治維新によってであり、蒙古来襲時がそうであったように外国(欧米)という存在に目を見張ったからである。
[世界はいま統合へ向けて徐々に進んでいる]
◎世界はいま統合へ向けて徐々に進んでいるが、コカコーラに象徴されるように世界の西欧化という形(一様化)である。世界統合の主導権をアメリカが握るか、国連が取るかという点で、アメリカは国連軽視の態度を見せている。今の国連は既得権を持った大国優位に傾きすぎる、国連自体の民主化改革も望まれる。
[日本も世界を舞台に舞い踊ろう]
◎日本はアメリカに次いで高い拠出金を出しているのだから国連に向けてもっともっと主張すべきであろう。戦後60年を経て還暦を迎えたからは新生児日本として世界に羽ばたこう。経済面や文化面に続いて政治面でも世界を舞台に舞い踊ろう。
[世界規模化、世界の一元化の波がすべての国々の上に津波の如く押し寄せる]
◎グローバル(世界規模)化、世界の一元化の波がすべての国々の上に津波の如く押し寄せて呑み込もうとする。全世界は西欧近代文明に覆い尽くされようとする。石油によって自給自足し自律的状況にあるイスラム諸国がそれに抵抗する。
[西欧文明・資本主義経済・英語共通語化のもとに行われる世界統一]
◎世界統一・統合は、西欧文明(文化面)・資本主義経済(経済面)・英語共通語化(言語・情報面)・民主主義(政治面)・自由主義(思想面)のもとにが行われる可能性は大きい。これは相転移現象かもしれない、マイクロソフトのウィンドウズが成したように。しかし西欧中心に統合(一様化)がなされたとしても、その後に地方分権的多様化の波が大きく揺り戻すだろう。