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第十八章 精神・魂に語りかける民話・昔話 [142]老爺は苦難の末に舌切り雀(自己)を探し出す

[142]老爺は苦難の末に舌切り雀(自己)を探し出す
[怒って雀の舌を切って追い出す老婆と心配し行方を尋ねる老爺]
◎「舌切り雀」は古くからある昔話である。老婆が作った糊をスズメになめられたので、彼女は怒ってスズメの舌を切って追い出す。心配した老爺がスズメの宿を探しに出かけ、途中馬飼いや牛飼いに行方を尋ねると馬や牛の小便を飲んだら教えてやると言われその通りにする。その結果やっとスズメの宿を探し当て、訪問する。
[歓待され軽いつづらをもらう老爺とすげなく接待され重いつづらをもらう老婆]
◎老爺はスズメから歓待され、帰り際につづらをやると言われ、宝の入った軽い方のつづらをもらって帰る。それをうらやんだ老婆がまねをしてスズメの宿までたどり着くが、スズメはすげなくもてなす。老婆は帰り際に欲張って重い方のつづらをもらうが、途中で開けてみると中からヘビ・化け物などが出て来る。
[言葉を使う世界を越えた悟りの境地に舌切り雀は住む]
◎「舌切り雀」は悟りへの旅路を暗示する。スズメの「舌が切られる」によって、言葉を使う爺さん婆さんの住む(自我)世界を越えた領域(悟りの境地)にスズメ(自己・導師・魂・仏)が住むことを暗に示す。
[自己探求のきっかけは、物質的欠乏、困苦するものへの愛情表現としての援助]
◎自己を探し求める(探求する)きっかけは、物質的欠乏(貧困)、ここでは糊をなめられてなくなるという状況設定である。もう一つのきっかけは「助ける」である。困る・苦しむものへの愛情表現として助ける、浦島太郎が亀を助けたように。老婆の方は怒り(憎しみ)を向けたが、老爺の方は心配(愛情)を向けた。
[自己探求の途中では苦難・困難が待ち受ける]
◎自己探求の途中では必ずといっていいほど苦難・困難が待ち受ける。「舌切り雀」では老爺が「馬や牛の小便を飲んだら教えてやる」との難題を吹っかけられる。それを受容することによって乗り越え、解決へと結びついた。
[スズメからもらったつづらは老爺老婆の心の中身]
◎スズメからもらったつづら(藤づる・竹・ヒノキの薄板などを編んで作ったかご)は彼らの心である。老爺のつづらには宝が入っていた(宝によって輝かしい自己を言い表す)が、老婆のつづらには心の下層(異界)に住む住人(ヘビや化け物)であった。老爺はつづらを目的地(天国・自己世界)まで運び切ったが、老婆には途中で開けるこらえ性のなさもある。