[12]内在的＝無意識的＝身体化と、外在的＝意識的＝道具化
[外在的＝意識的＝道具化とは、外部素材から道具を作り出す]
◎人間は環境にある素材から道具を作り出すので、道具は(身体外部に持つ)外在的である。それに対して、生物は道具を身体化･内在化させる、身体を道具化する、道具を身体の一部として持つ。それ故に、道具を選べない、(捨てる保有する)選択の自由がない、素材を取り替えられない。
[動物は特殊な道具を持って生まれる]
◎動物の強みは特殊化･個性化で、特殊な道具を持って生まれる。人間の体は特殊化していないで普遍的であり、その強みは没特殊性･没個性、個性のなさが最大の個性である。誕生後に自分好みで個性を生み出せる、個性のなさが自由に個性を生み出す源である、固まっていない粘土のように。
[人は道具の使用によって動物の能力をはるかに越え出る]
◎人間が身体機能を使っても、動物ほどにはうまくできないことは多い。しかしさまざまな道具を使って、創り出して、いろんな動物になれる、高速で泳ぐ魚、空を飛ぶ鳥、素早く木登りするサル、鋭く肉を切り裂く虎、超音波を発射するコウモリなどなど。
◎道具の使用によってそのようなさまざまな動物の能力をはるかに越え出た。能力のなさがそのような大きな能力を生み出した。顕在的能力はなかったが、潜在的脳力があった。
[システム内の要素の組み替えによって変更･取り替え･選択･伝達可能である]
◎道具以外に、(言葉･記号的)知識や記憶内容に関してもそのことは当てはまる。内在的は無意識的、外在的は意識的である。外在的なものは、システム内の要素を組み替える･取り替えることによって変更可能、取り替え可能、選択可能、伝達可能である。これが進歩の早さを加速させる、個性の幅を増大する、大きな自由をもたらす。生物はいつやって来るか分からない天の恵み(突然変異)を待つほかはない。
