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第三章 普遍・基本形と特殊・変形 [21]再生は特殊化細胞の普遍への返り咲き

[21]再生は特殊化細胞の普遍への返り咲き
[細胞は生殖細胞と体細胞とがある]
◎細胞は次世代(子)を生み出す生殖細胞と体を構成する体細胞とがある。脊椎動物ではふつう生殖細胞(卵・精子)は体細胞(表皮・筋肉・神経など)から分離独立するが、かなりの動物とすべての植物・菌類では独立していない。
[いずれ消滅する体細胞にたいして生殖細胞は不死・全能細胞である]
生殖細胞細胞分裂の初期に選び出され、卵・精子として、次の世代を生み出し遺伝子をバトンタッチする。それはそのまま次世代に引き継がれるので不死であり、分化していないのであらゆる細胞に成り得る潜在的可能性(全能・普遍)を持つ、不死・全能細胞である。
[体細胞は個体とともに滅びる]
◎一方体細胞は個体とともに滅び、自らに起きた突然変異は次世代には受け継がれることはない、獲得したものは自らの死とともに消滅する。財産は墓場まで持って行くことはできない。
[一つの普遍細胞の細分化・特殊化が多様性を生み出す]
◎一個の細胞(受精卵)が45回の分裂によって35兆以上にもなる。人間の細胞(体細胞・特殊化細胞)は250種類以上もあり、一つの普遍細胞の細分化・特殊化(階層降下)がそのような多様性を生み出す。
[プラナリアは、一部分から元通りの完全な個体(全体)が再生される]
◎扁形動物プラナリア(渦虫類プラナリア科)は、切り刻んだどの一片からでも、元通りの完全な個体(全体)が再生される。アメーバなどの単細胞生物(ゴカイなどの多細胞生物の中にも)は、小さな断片からでも核を含んでいる場合には完全な個体が再生される。
[イモリ・トカゲは部分的再生能力を持つ]
◎より上位階層に位置するイモリ(両生類)は完全な個体を再生する能力はないが、かみ取られた脚、切り取られた尻尾は再生する。ネコなどに捕まって自ら切り取った尻尾だけが盛んに打ち振る光景は少々不気味である。
[進化的に高いものほど再生能力は低い]
◎イモリ・トカゲ・ミミズは哺乳類に比べれば再生能力は高い、全能の再生能力を持つプラナリアには比べものにはならないが。鳥類や哺乳類の再生能力はさらに低く、しかも限定されてゆき、皮膚・毛細血管・骨・筋肉・肝臓など部分的なものに限られる。
[細胞がいったん未分化細胞に逆戻りして再生する]
◎イモリの脚の再生は骨細胞などが行うが、その細胞はいったん未分化細胞に逆戻り(退行・先祖返り・脱分化・普遍化)する。それが増殖し細胞群を形成した後あらためて分化し直し脚が再生される。
[再生は特殊→普遍化→特殊をたどる]
◎再生は特殊化細胞が普遍化して増殖した後再度特殊化する。農家の婦人が生産物のネギを農協に売って、現金化した後、デジカメを買うようなもの(商品→貨幣→商品)であろう。