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第五章 矛盾しながらも統一する矛盾的自己同一 [40]均衡をはかる恒常性維持と中間的な位置に立つ中庸・中道・折衷・妥協

[40]均衡をはかる恒常性維持と中間的な位置に立つ中庸・中道・折衷・妥協
[作用に対して反作用を出して釣り合いをはかり安定させる恒常性維持]
◎恒常性維持は、外部から加えられる力に対して安定を保とうとする、変化への抵抗として作用する。外が寒くても、体温を常に一定に保とうとして体は自動的に体温調節をする。作用に対して反作用を出して釣り合いをはかり安定させる。
[追いつ追われつの円循環を繰り返す拮抗的関係]
◎ヤマネコ(捕食者)とウサギ(被捕食者)は拮抗的関係にある。ヤマネコが増えすぎるとウサギが減り、その結果ヤマネコ自身も減少する。そうなれば、捕食者が減ったことでウサギがまた増える。ヤマネコもそれにつれて増加する。このような拮抗的関係にあるものどうしは追いつ追われつの円循環(あるいは波形)を繰り返す。実際にはこんなに明快ではないけれども。
[光の具合によって物の見えはさまざまに変化する]
◎日光の強さ・明るさ・方向は一日を通じて刻々と変化する。それにも関わらず、赤い服は赤く見え、白い雪は白く見える。当たり前といえば当たり前であるが、当たる光の具合によって実際にはいろいろに変化する。
[さまざまに変化しても変域内であれば、同一・不変だと判断する]
◎所が、脳は見たままを感じるのではなく、ある変化する範囲(変域)内であれば、同一・不変だと判断する。これを色の恒常性という。意識がそう判断するのではなく、感覚器官が受け取った生の情報を過去の記憶と照合して脳が同一だと判断して意識に送り込む。
[見る角度によって違って見えても形や大きさが同じだと認識する恒常性]
◎すでに三次元的にものを捕らえる生後数日の乳児もやはり形や大きさの恒常性を示す。例えば、四角形は見る角度によって菱形に見えるが、依然として四角形として認識する。純粋経験そのままではなく意識にのぼったときすでに修飾が施されている。
[中庸・折衷・中道・妥協は中間的な位置に立つ]
◎中庸は一方の立場に偏らず穏当な中正である。折衷は両者の長所をとって合体し、極端を捨てほどよいところをとる。妥協は対立する両者が譲り合って解決をつける、一つの結論・取決めを導き出す。
◎中道は、相互に矛盾・対立する二つの極端な立場から離れ(超越し)て自由な立場を取る。生と死、変化(外的不安定性・開放性)と安定(内的安定性・閉鎖性)、個人と集団などの相対的な関係の中で、いずれか一方だけを採用することなく、対立を止揚する立場から現実を見きわめ、正しい判断をする。
[自我は中庸・折衷・中道・妥協を嫌い一刀両断する]
◎中庸・折衷・中道・妥協は微妙な違いはあるが、二者のうち一者を全面的に採用せずに、中間的な位置に立つ。すべてのものは矛盾的自己同一で内に矛盾を抱えるのに、自我は中庸・折衷・中道・妥協を嫌い、一刀両断してよい方を取り他方を捨てる。
[自己世界では中庸・中道・折衷・妥協・恒常性維持・矛盾的自己同一が通用する]
◎論理学の基本原理である排中律は、命題は真(正)か偽(誤)かのいずれかであり、中間が排除される。自我(論理)の世界は排中律が成り立つが、自己の世界では中庸・中道・折衷・妥協・恒常性維持・矛盾的自己同一が通用する。