宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第八章 集団(全体・自己)と個人(部分・自我)  [52]閉鎖的・独立的自我(=左脳=意識)は氷山(無意識)の一角

第八章 集団(全体・自己)と個人(部分・自我)
[52]閉鎖的・独立的自我(=左脳=意識)は氷山(無意識)の一角
[自我は自分とは主体を統率する中心(核)的存在だと見なす]
◎自我は、責任主体である、細胞膜や皮膚のように内界(主体・自分)と外界(客体・世界)とを区別・限定する、自分が主体を統率する中心(核)的存在だ見なす、世界全体を遠近法的な秩序に従って構成する、他から独立・自立・自律する、能動性を保持する、合理的判断・論理的思考によって自分を環境に適応させ自己維持をはかる。
[意識的に知覚できないサブリミナル情報は潜在意識に働きかける]
◎自我が意識できる情報量は毎秒100ビット(漢字一文字は16ビット、100ビット≒漢字6文字)に過ぎない。サブリミナル(潜在意識の知覚)情報は意識的に知覚できない(意識にまで昇ってこない)が、意識下に記憶されて、同じ情報を捕らえたときに呼び出される(同調・共振する)。
[サブリミナルは無意識へ滑り込む]
◎サブリミナルはテレビ・ラジオ放送・映画などに、通常では捉えられない速度・音量による情報をまぶし込んで繰り返し流すことで視聴者の潜在意識(無意識)に働きかける。しかしこれは禁止されているようだが。
[自我は心の全体を覆い尽す・制御下に置くことはできない]
◎これで分かるように、自我は心(意識+無意識)の全体を覆い尽す・制御下に置くことはできない。逆に無意識の方がすべての知識(入力された情報のごく一部が意識化される)を統合するのであって、自我(意識)の下にすべての知識が統合されているのではない。
[自我に知られない無意識領域は多い]
◎それ故に、自分の持つ(意識領域と無意識領域の両方の)知識を知るためには表現(発信)しなければならない。表現するまで自我は自分が持つ獲得した知識のごく一部しか読み取り・参照・利用できない。
[自我は水面上に突き出たごく一部を意識によって捕らえる]
◎これは大海に浮かぶ氷山を思い浮かべると理解しやすい。氷山全体を自分が持つ、獲得した知識とすると、水面下の知識は無意識の中にあり、水面上に突き出たごく一部が意識によって捕らえられ、意識化が可能な知識である。
[タイタニック号は巨大氷山と衝突して沈没した]
◎そのわずかに表面に出た一角を見落として、イギリスの豪華客船タイタニック号は1912年4月14日処女航海で巨大氷山に衝突沈没し、約千五百名の犠牲者を出した。イギリスは意識を優勢させすぎた結果巨大な無意識によって沈没してしまったともいえようか。
◎イギリスの数学者・哲学者、ホワイトヘッド(1861-1947)は、「学説の衝突は不幸ではなく、好機である」と言った。学説間の衝突ならば、有益な結果が得られるかもしれないが、船と氷山ではそれを期待できないだろう。
[左脳をもとに行動すると、本当の自分とはずいぶんかけ離れる]
◎意識化された(左脳による操作・検索可能な)知識だけを自分の知識だとして、それをもとに行動すると、実際(本当)の(全知識を所有する)自分とはずいぶんかけ離れた行動をする。それよりも自分の中にある無意識内の知識をも動員する勘や直観をもとに行動する方がうまくゆくことが多い。
[無意識にゆだねる(自然体の)方が成功する可能性が高い]
◎結婚式のスピーチとか発表会での演奏は、緊張によって駆使する意識が高まり・狭まりすぎると、無意識にまでエネルギーが回らずうまく働かないでぎくしゃくする。それよりも無意識にゆだねる(自然体の)方が成功する可能性が高い。しかしそれには重圧・外圧に負けない強い心(平常心・不動心)が要求させる、イチローのような。