宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第三章 普遍・基本形と特殊・変形 [16]暗喩・隠喩(メタファー)・象徴・ことわざは左脳(言葉)と右脳(イメージ)の結合

[16]暗喩・隠喩(メタファー)・象徴・ことわざは左脳(言葉)と右脳(イメージ)の結合
[即座の反応(具体的意味)は左脳が、慎重な反応(比喩的意味)は右脳が担当]
◎言葉(単語)を聞いた後、0.4秒後には具体的意味が活性化され、さらに1.2秒後には比喩的意味も活性化される。即座の直接的(結びつきの強い)反応は左脳が担当し、慎重な間接的(結びつきのゆるい)反応は右脳が担当する。つまり中心・核から周辺に向かって波紋が広がるように活性範囲が拡大してゆく。慌てる反応は範囲が狭い。
[隠喩は右脳が担当し、異なった物事の間に類似性・同一性を見出す]
◎隠喩(メタファ)は、抽象観念(左脳/王者・純潔)を表現するとき、それと似た具象観念(右脳/ライオン・白)を用いる。隠喩は優位的に右脳が担当し、異なった物事(例えばバラとあでやかさ)の間に類似性・同一性を見出す。ライオンの中にある要素(強さ・勇敢さ)と王者の中の要素に共通項を見出したが故に二つは結びつく。
[右脳思考は相似性に基づく]
◎右脳思考は相似性に基づく。筆と男性性器との形面と行為面とでの相似性に右脳は気づく。墨(精液)を含ませて紙(女性性器)に書く。若い間は甲斐性がないので、紙無しで仕方なく空に書くことも多い。
[左脳の言語情報と右脳の統合された感覚情報]
◎筆は、視覚情報・運動覚情報・触覚情報・音韻(聴覚)情報・言語(文字)情報・体験情報・意味情報などと連合することで、意味ある具体的道具として知覚される。これらのさまざまな種類の情報がつながれば、左脳の言語(文字)情報だけに比べて圧倒的に豊かな想像(創造)を羽ばたかせられる。それを可能にするのが統合機能を持つ右脳である。
[部分(下位階層)が全体(上位階層)を代表する]
◎部分が全体を代表する、上位階層(全体/神社・芸者・議員・王権)と下位階層(部分/鳥居・左褄・金バッヂ・王冠)とを組み合わせる。言い表そうとする事物を、それと関係の深いもので表現する。パンで食べ物一般を代表させるキリストは隠喩(メタファ)の名人である。
[ことわざは具体的表現(特殊)で一般的・抽象的見解(普遍)を伝える]
◎ことわざは具体的な表現(特殊)で一般的・抽象的な見解(普遍)を伝える。具体例「猿も木から落ちる」で、抽象的意味「熟練者も時には失敗する」をあらわす。ことわざも隠喩と同じく、具体の抽象化、相似性、特殊の普遍化である。逆バージョンも多くあるが。
[象徴は、抽象的概念・意味・価値を、具体的事物・感覚的形姿によって表現]
◎象徴は、直接的に五感で知覚できない抽象的概念・意味・価値を、それと関係が深く連想しやすい具体的事物・感覚的形姿によって間接的に表現する。王冠で王位を、ハトで平和を、赤で情熱・革命を、白で純潔、金バッヂで議員を表現する。
[シンボルは仲間を確認する割り符]
◎象徴は「シンボル(symbol)」で、もともとは仲間を確認するための「割符」を表した。つまり二つのものを一つに結合するもの、本来一つのものを分割させた二つを指し示す。しかしこれは根本的には宇宙が矛盾的自己同一であることから来るものであろう。
[象徴は、抽象的左脳と具象的右脳を結ぶ連結子]
◎象徴は、抽象的左脳(平和・王位・純潔)と具象的右脳(ハト・王冠・白)を結ぶ連結子であり、象徴も隠喩と同じ働きをする。象徴=ことわざ=隠喩=本質=法則=分類=一般化=普遍化=抽象化=言語化。とはいえ完全一致はいえないが、つなぐ点で共通機能を持つ。
[象徴・イメージは左脳と右脳を統合する、結合させる]
◎象徴・イメージは意味を知る、解釈する、理解することが目的ではない。それらの行為をするのは左脳(自我)であり、左脳だけが働いたのではだめで、左脳と右脳を統合する、結合させる、体感(特定できない全身的感じ)・実感(実際に感じる心の底からの感じ)する、領土拡大する必要がある。例えば、全身に鳥肌が立つほどの感動などがなければ効果はない。
[右脳・イメージと左脳・言葉の連結が意識の拡大につながる]
◎夢の中で必死になって逃げるなどの心が動かされるイメージ・夢は体感実感される。無我夢中になれるイメージ・夢は象徴にふさわしい。とはいえ、左脳(自我)にとって何の意味も見出せない(自覚できない)イメージ・夢は意識の拡大につながらない。といっても逆に、右脳(体感・実感)だけが働いても効果がない。
◎心身の統合された状態での理解(右脳・イメージと左脳・言葉の連結)が最適である。それ故、抽象的理論や口先だけの説得は相手を動かす効果が薄い。
[無意識から現れた具体的なものを概念・意味・価値と照合結合させ意識は拡大する]
◎右脳の無意識から生じたものが何なのかその意味を把握する、無意識から現れた具体的なもの(特殊)は概念・意味・価値と照合結合させる。それによって意識は拡大する。言葉(普遍)は具体例(特殊)を束ねる要・核である。言葉は具体例の入れ物である。具体的体験の裏付けのない空っぽの空疎な言葉・理論に人を感動させる力はない。