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第六章 変化へ開く受容・開放と現状維持の対決・閉鎖 [42]成長へと向けた受容(開放)と対決(閉鎖)

[42]成長へと向けた受容(開放)と対決(閉鎖)
[本音(エネルギーの源)の押さえ込み(閉鎖)からは本当の関係は生まれない]
◎人と人とは火花を散らすほどの熱い対決がなければ、相当のエネルギーの投入がなければ、門を開いて撃って出なければ、新しい関係を築くことはできない。本音(エネルギーの源)の押さえ込み(閉鎖)からは本当の関係は生まれない、せいぜいよくて表面的なお付き合いであろう。酸素と水素を同じ容器に入れただけでは水は合成されない。
非平衡状態にあるシステムが、外部との間で、エネルギーや物質のやり取りがなくなれば、やがて平衡(もはや変化しない静的)状態に達する、と科学はいう。
[おたくは狭い自分の世界に閉じこもるカタツムリ]
◎最近の若者は「おたく」で狭い自分の世界に閉じこもり、他人との関係を打ち立てるのをおっくうがる場合も多い。大人の側が子どもの世界にずかずかと介入・干渉・管理する大きなお世話が原因だろうが。しかしながら発表の場(ブログなど)を見出すことで徐々に社会化してきている。
[触らぬ神にたたりなしという大人側]
◎逆に大きなお世話と思われる怖さから何事もないかの如くに、大きな事件にも平静を装う大人もまた多い。事実「障らぬ神にたたりなし」とつぶやきたくなる(些細なことから命を奪われる)事件も多発する。そのような被害者には国による(制度的な)手厚いアフタケアが必要だろう。社会正義を守るためにも。
[水素と酸素との反応に触媒を使うと水を生成する]
◎化学の世界での変化(合成・分解)は自然(自力)にまかせるのではなく、他力(触媒・酵素)を借りることがほとんどである。触媒自身は変化しないが、他の物質の化学反応の仲立ちをしてその速度を加減する。例えば、水素と酸素との反応に触媒として白金片を使うと水を生成し始める。
[酵素が触媒として働き、生体内の化学変化を速める]
◎生体内の化学変化はほとんど酵素が触媒として働き、百万倍以上も反応速度を速める。酵素はタンパク質で、700種類以上が知られる。そんなにあるのは酵素は特定の化学反応にしか作用しないからである。それはパスワード・暗証番号・鍵のようなものである。
[世間では媒介(食べ物・酒・お金)を使う]
◎化学の世界では触媒を使うが、俗世間では媒介を使う。媒介は両方の間に入って切ったり結んだりと仲立ちする。蚊は人間にとってありがたくない媒介者で、マラリアを人間に伝染する。未婚の男女を媒介するのはありがたい仲人である。
[いまだに袖の下は有効な触媒である]
◎人間どうしを結び付ける一番よい触媒は食べ物・酒・お金である。「同じ釜の飯を食う」という。政治家には袖の下が一番効率がよい、化学反応が素早い、いまだに役人(政治家も)の子はにぎにぎをよく覚える。
[受容・寛容・愛・慈悲・和解・肯定・信頼は結合・統一をもたらす]
◎受容・寛容・愛・慈悲・和解・肯定・信頼は、接続・結合・統一であり、予測可能であり、法則・ルール化できる。何をしでかすかわからぬ相手を信用することはできない。対決・批判・否定・拒絶は、抑制・切断・分解する。受容は消極的肯定(否定・疑問の棚上げ)であり、対決は疑問と否定である。交通信号でいえば、青(肯定)と黄(疑問)と赤(否定)である。
[受容は相手を同じ土俵にのせ関係を取り結ぶ]
◎受容は相手を同じ土俵にのせた上で、相手と関係を取り結ぶ。受容した上での対決は向上を目指して真剣に取り組む。よどんだ水が腐るように、対決のない受容は相手を腐らせる。受容のない対決はつぶし合いである。力による指導は往々にしてつぶし合いである。
[否定は根拠を破壊する、そこよりもさらに退き、さらに深く掘り進む]
◎肯定は、そのままが良いという、そこを根拠にする、足場にする、そこから前に進む・上る。否定は根拠を破壊する、そこよりもさらに退く、そこよりもさらに深く掘り進む、発展の余地有りという。否定といっても、捨てる否定(拒絶)と離れる否定(分離)があるが、弁証法は離れる否定である。捨ててしまっては成長はない。
[イエスマンを従える上司は坂道を転げ落ちる]
◎「ごもっとも」と上司の言葉に無批判に従うイエスマン(コバンザメ)だけを周りに置きたがる上司は、いずれ傲慢から堕落への坂道を転げ落ちる。白い巨塔もいずれは崩れ落ちる、高い塔も神のいかずちによっていずれは倒れる。
[弁証法は、肯定(受容)→否定(対決)→否定の否定(一段高い階層で再統合)]
弁証法は対立物の総合と発展を論理的に、[肯定(受容・統一・混沌的全体)→否定(対決:分裂:部分・要素に分裂・分離)→否定の(再度の)否定(肯定の回復・和解・一段高い階層で再統合)]と、循環しながららせん状に進む。
[止揚は低い段階において否定し、高い階層で発展的に統合する]
止揚ヘーゲル弁証法の根本概念である。階層構造を持つものが発展する場合、あるものを低い段階においては否定(全体の部分化・全体の分割・対決)するが、構成する不可欠の要素として保存して高い階層(より大きな関係)で生かし発展的に統合・受容する。
[い、か、め、しはイカ飯?]
◎変な(?!)例をあげる。い(胃)、か(蚊)、め(目)、し(詩)、という四つの文字はそれぞれ固有の意味を持つ。がしかし、それらを止揚(文字の階層での意味を否定して単語の階層で発展的に統合)すれば、イカ飯となる。文字の段階での意味の肯定→意味を否定→一つ上位の階層(単語の階層)でそれぞれの文字を統合して新しい意味(肯定の回復)を獲得する。宇宙ではこの方式で階層を重ねて発展・成長・進化してゆく。