宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十章 下降で増しゆく分解力と上昇で加速する統一力  [67]分別・分類・言葉・抽象は差異を捨てて共通要素を結ぶ

第十章 下降で増しゆく分解力と上昇で加速する統一力
[67]分別・分類・言葉・抽象は差異を捨てて共通要素を結ぶ
[神は善悪・正不正を問わない無分別]
◎マタイ福音書はいう、「父は善人の上にも悪人の上にも同じく日を上らせ、正直な人の上にも不正直な人の上にも雨をお降らしになる」と。(父=神)
[自我は分けて選ぶ]
◎人は普通自分の中にある善人(自我)の上には日を上らせ、正直な人の上には雨を降らせるが、自分の中にあっても悪人(影)の上には日を上らせない(無意識化)し、不正直な人の上には雨を降らせない。このように自我は分けて選び、「父」は合わせて結ぶ。
[人生は結合と分離が繰り返される]
旧約聖書はいう、「こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる」と。
◎このように人生には結合(出会い)と分離(別れ)が繰り返されてゆく。夫婦になるとは、一心同体になる。一心同体は、別々な二つのシステムが協力・協調して徐々にひとつの複合システムとして作動する。一心同体は二つのプログラム体系が会話と協同作業によって一つのプログラム体系が再構築される。
[プログラム共有のための対話]
◎互いが相手プログラムを自分の心の中に位置づけて組み込み組み替えをする。そのために、対話(情報の共有)が必要である。Windowsにもそのような機能が入っている。対話は結合のためで、相手を打ち負かすためではない。共生のためで、競争のためではない。
[共通部分に着目する抽象・分類は、差異部分には目をつむる]
◎分類行為は生得的なもので、生後一ヶ月の幼児がすでに音声を分類する(聞き分ける)。すでに知っている形・音・色などと同じものかどうかの識別ができる。ある要素、共通部分(同じもの)に着目する抽象・分類は、差異部分には目をつむる。集団化と全体主義は共通部分だけに着目し、個人主義は差異部分にだけ注目する。
[抽象化によって概念的把握が可能となる]
◎分類・見出し・(文章や話を短くまとめる)要約はすべて同一の行為、ある要素に着目して、他の要素を捨て去る抽象である。抽象化によって概念的把握が可能となる。例えば、リンゴ、ミカン、ブドウに共通する概念は、「くだもの」である。しかしその時それぞれが持つ個性は却下される。
[言葉化とは一般化・普遍化・抽象化]
◎言葉は「時間と空間」(=現実)を超越する。ある時間と場所を持つ具体的出来事(特殊)を言葉化するとは、一般化・普遍化・抽象化する。それによって、その経験が別の同じような機会にも利用でき、更には他の人々さえ利用できる。そのような点で、言葉は法則と同じ働きをする。
[言葉によって上位概念で捕らえると、未知のものをも判断できる]
◎概念は、いくつもの事物から共通する特性を抽象して得たもので、分類するときの核となる。言葉によって上位概念で捕らえると、未知のものに対しても判断できる。例えば、サル、ヒツジ、イヌと並べられれば、それらが四つ足動物(上位概念)でくくれる(法則化する)と了解し、次からは予測ができる。
[生物は具体例から規則・法則を自発的に抽出しながら学習する]
◎学習は未知の具体例がたくさん繰り返し与えられる必要がある。基礎力は繰り返しの学習から生まれる。生物は具体例から規則・法則を自発的に抽出しながら学習する。脳は具体例を要素分解して共通項を探し出す。意識的にではなく、脳がそのような機能を持って自動的に働く。意識にその法則を教えるとは限らないが。子どもが抽象的知識よりも具体的体験をたくさん積むと脳は喜んで活動する。
[応用力は、一つにまとめる分類力であり、共通項を法則化・公式化する帰納力]
◎応用力は、さまざまな問題・事柄を一つにまとめる分類力であり、一つにまとまる共通項を法則化・公式化する(ボトムアップ式)帰納力である。帰納法はさまざまな事例に共通する性質・関係・要素を取り出して一般的法則・命題を導き出す、即ち特殊から普遍を導き出す。
[応用力は演繹力でもある]
◎応用力は(トップダウン式)演繹力であり、法則を適用して個々の問題を解決する。それで解決できないなら、法則作成するために帰納しなければならない。帰納は特殊の普遍化で、演繹は普遍(イデア)の特殊化(分有・限定)である。

個人主義

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