宇宙原理があなたの中を貫流する

このブクロを通じて宇宙を網羅する基本法則を提示していきたい。

第十一章 情報・物質・エネルギーの維持・相互作用・循環 [85]敬意を払われた関心(暖かい眼差し)が心の成長を促す

[85]敬意を払われた関心(暖かい眼差し)が心の成長を促す
[監視者が行為者にフィードバック情報を伝えて制御する自動制御方式]
◎25℃に設定された自動制御のエアコンは、室温が25℃を越えるとモーターが始動して温度を下げ始める。その結果25℃まで下がると、それを感知したセンサー(監視者)がモーター(行為者)側にフィードバック情報としてそれを伝えると、モーターは停止する。
[結果を返送して行動を修正し、より適切なものにするフィードバック制御]
◎監視(受信)結果をフィードバック(返送)させて、原因(送信・行為者)側に伝達して自動的に調節する。あるいは結果を返送させてその後の行動や反応を修正し、より適切なものにする仕組みをフィードバック制御という。
[身体ではフィードバック制御が行われている]
◎例えば、視床下部(上位階層)からのトップダウン司令は副腎皮質(腎臓上部に接する・下位階層)へ伝えられてそこがストレス反応を引き起こす。その結果のフィードバック情報が視床下部に帰る。その情報によって視床下部は「よし」と判断すれば、副腎の働きを抑えて活動を終息させる。
[敬意とか暖かさとは、「よし」のフィードバック情報になる]
◎人が成長するにはフィードバック情報を必要とする。特にユダヤ教の神が自らに言ったように、そこから先へ進むには「よし」という応答が。敬意とか暖かさとは、「よし」のフィードバック情報になる。
[敬意・暖かさは春の到来]
◎敬意・暖かさ(包み込むまなざし)は、あなたとは競争原理ではなく協同原理を採用する、との合図でもある。競争原理に傷ついた者にとって敬意・暖かさは春の到来(芽を出すチャンス)である。
[成功と失敗を区別するためにフィードバックはぜひとも必要である]
◎生まれつきの聴覚障害者は自分の声がフィードバックしない、それに手本を獲得しないために、自分の声と照らし合わせる導き手がいない。成功と失敗を区別するためにフィードバックがぜひとも必要である。自分の声についてのフィードバック情報がないために正しい発声だと確認できない。発信のまずさは受信ができないためである。
[目標と現状との間に不一致がなくなるまで操作を続けることで成功は得られる]
◎暗闇を手探りで進むには手に触れる何かが必要である。結果のフィードバック情報を受け取り、目標(未来)と現在の状況との間に不一致(差異)がなくなるまで反応・操作を続けることによって、成功は得られる。
[宇宙は自然選択によって生存に有利なものが記憶・保存される]
ダーウィン進化論はいう、ある生物に生じた遺伝的突然変異のうちで生存に有利な遺伝情報が生き残り、遺伝子として次の世代に引き継がれてゆく。同じことが個人にも当てはまる。ある個人に獲得された知識のうちで生存に有利な知識が生き残り、それが記憶され保存される。このように宇宙は自然選択によって生存に有利なものが記憶されて保存される。
[子供は親の態度を見て育つ、決して言葉ではない]
◎親の態度は子どもに対してフィードバック情報として子どもの中にしまい込まれる。親は自分の言葉(左脳・意味情報)が教育・しつけ効果を上げると考え勝ちだが、感覚情報の八割は視覚由来で、聴覚情報は二割にも満たない。
◎子供は親の態度を見て(自分へのフィードバック情報として)育つ、決して言葉ではない。親の態度が子どもの性格を形成する。しかし親は自分自身の態度に対して余りにも無知である。
[望ましい親の態度は、子どもを尊重し、寛容的・受容的調和に心がける]
エリクソンは発達課題として信頼感・自律性・自主性・勤勉性・同一性確立を掲げた。子どもが順調よく成長してゆくために、望ましい親の態度は、保護的で、理性的で、むやみに意見を押しつけず子どもを尊重し、寛容的・受容的調和に心がける。
◎そういう親の態度によって、子どもは指導能力・積極性・自主性・社会性・社交性・友好性・情緒安定性が身につく。子どもは親を映す鏡である。
[望ましくない親の態度は、一方的・強制的に意見の押しつけ]
◎望ましくない親の態度は、「ダメ、いけません」の禁止・命令を連発し、一方的・強制的に意見の押しつけたり、かわいがりすぎる。それによって子どもは、社会性に乏しく、感情に支配されやすく、拒絶的・反抗的で、依頼心が強く、情緒不安定になる。つまりそのような子どもは前頭連合野が十分に成長・機能していない。