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第十七章 自然原理を反映する歴史 [131]意識のデカルト、個人無意識のフロイト、集合無意識のユング

[131]意識のデカルト、個人無意識のフロイト、集合無意識のユング
[意識に重点を置いたデカルトと個人無意識を強調したフロント]
◎精神と物質の二元論を唱えたデカルトは「われ思う」という意識・思考・自我(精神)に重点を置いた。動物を一つの自動機械と見なし、人体部分も同様に精密な機械だという。それに対して、フロイトは「われ感じる」という、意識より下の階層にある個人無意識の重要性を強調した。
[左脳(言葉)を重視したフロイトと右脳(イメージ)を重視したユング]
◎無意識を重視したフロイトであるが、彼は左脳(言葉)をも重視した。言葉重視は、無意識を意識にもたらす(対象化する)のは言語(自由連想法)だと考えたからである。他方ユングは右脳(イメージ)を重視する。無意識内容を直接意識にもたらす夢や絵画は右脳(イメージ)由来だと判断したからである。
◎人の心は、意識(デカルト・17世紀)→個人無意識(フロイト・1856-1939)→集合無意識(ユング・1875-1961)、と三層構造になっており、時代はその順序に従って焦点を当てて来た。これは時代の意識も深まって来たあかしだろう。
[自我・個人無意識を扱ったフロイトと自己・集合無意識を扱ったユング]
フロイトは自我を扱い、ユングは自己を扱った。フロイトは下位システム(個人無意識)と自我の関係を扱い、ユングは自我と上位システム(自己)との関係を扱った。フロイトは自我より下にあって自我にまで到達しないで途中で引っかかる個人無意識(コンプレックス)を自我に引き上げ統合させることを目指した。ユングは自我よりも上にある集合無意識を自我にまでトップダウンさせて取り込むことによって自我を引き上げようとした。フロイトは地下水の汲み上げを、ユングは天からの雨水の汲み置きを目指した。
[無意識を過去に位置づけるフロイトと未来を志向するユング]
◎そういう点では二人はみごとな棲み分けを実行した。もちろん意識してのことではないが。ユングにはフロイトという下敷き(下位階層)があったればこその棲み分けである。フロイトは無意識を個人の過去に位置づける(還元する)が、ユングは無意識を個人の未来(目指す方向・目的・目標)を指し示す(志向する)と見た。
[意識は現在、個人無意識は過去、集合無意識は未来]
◎自分(自我・意識)より下層は過去と感じられ、自分より上層は未来として感じられる、地層と同じように。つまり意識(情報の取り入れ口)は現在、個人無意識(経験)は過去、集合無意識(潜在的可能性)は未来と感じられる。
◎個人無意識は個体発生であり、集合無意識は系統発生(人類の歴史、時に地球の歴史、さらには宇宙の歴史)である。能力が伸びれば、より大きな(高い)階層に接続(アクセス)できるようになる。